ペット可を超えたペット共生マンションとして展開するLIFEED。特に、獣医師監修のもと猫の健康に配慮した付帯サービスが充実しています。今回はLIFEEDのプロデュースにあたって、監修でご協力いただいた白岩千鶴子先生に定期健診と月に1度の訪問診療を付帯サービスとした経緯や想いを伺いました。
初めて動物病院に来院する飼い主・ご家族(以下、ご家族と表記)に問診表を記入していただきますが、最終ワクチン接種日や定期検診日を思い出せない方がよくいらっしゃいます。「1年以内ですか?」との問いかけに「何年か前だったと思うのですが思い出せません。」、「仔猫の時以来、していません。」などと言われることがあります。
定期検診を受けていない方の中には、検診の大切さは理解しているけれど愛猫が元気そうだとストレスをかけてまで病院に連れて行くのは可哀そうでなかなか行く気になれないと言う方もいらっしゃいます。
猫は不調を隠す生き物
猫は具合が悪くても体調不良を訴えません。弱っている姿を見られたら外敵に襲われる危険性が高まるので元気なふりをするのは野生時代の名残ともいわれています。どこか痛かったり、苦しくてもいつも通りに行動するため、ご家族の方はなかなか気づいてあげられず、目に見えてぐったりしたときにはかなり重篤であることが多いのです。せめて一年に一度の健康診断やワクチン接種など、定期的に病院にいく機会があれば、手遅れになる前に気づいてあげられる場合もあるのですが、現状そのような環境をつくれているご家庭があまり多くないのが現状です。
若い猫でも定期健診は必要?
元気に遊ぶ若い猫たちは病気とは無縁に思えてしまいます。しかし、0-3歳の猫に血液検査を実施したところ4.1%の猫に異常値が検出されたとの報告があります。(2017-2018年Team HOPE調べ)。
たとえば多発性嚢胞腎(PKD)。ペルシャ猫で多発する嚢胞性の腎疾患ですがその他の猫種でも報告があります。最終的には慢性腎不全に移行するため、早期に発見し、定期的に検査することが大切です。そのほかに赤血球ピルビン酸キナーゼ欠損症という遺伝性疾患では貧血を呈します。以前はアビシニアンやソマリに多いと言われていましたが、今はどの猫種でも発症する可能性があるといわれています。この病気も早期発見、定期的に検査することで生活の質を維持することが出来ます。若くて元気に遊んでいるような猫にとっても定期検診は大切なのです。
獣医師は猫の病気の一番の理解者
いつも一緒にいるご家族は愛猫の気持ちをもっとも理解している反面、愛猫の病気については専門家である獣医師でないとわからない事が多いです。
診察では、触診で腎臓や膀胱の大きさを確認したり、腹水や腫瘤、便秘の有無を確認したり、聴診で心雑音がないか、胸水が貯留している可能性はないかなどを診ます。普段から診てもらっている獣医師であれば、愛猫の既往歴や習性などを把握しているので、不調が出そうな部分を重点的に診てくれたり、病気を防ぐための対策についてアドバイスをしてもらえたりします。しかし、実際に愛猫が病気なってから病院に駆け込むと、既往歴などの説明で手間取り適切な治療をしてもらうまでに更に時間がかかってしまいます。やはり愛猫のことをよくわかってくれるかかりつけの獣医師に定期的に診てもらうというのが理想的と言えるでしょう。
LIFEEDなら、獣医師が定期的に訪問診療
愛猫の健康のためにも、定期的に動物病院に受診したいとは思いつつも、動物病院に愛猫を連れて行くのはさまざまな理由から億劫になり、先延ばしにしがちですよね。
そのため、今回LIFEEDを監修するにあたり、月に1度の訪問診療を無料の入居者特典として設計しました。日頃の悩みを気軽に相談したり、基本的な診察を自宅で受けられるのでご家庭にとっても愛猫にとっても負担なく理想の環境をかなえることができます。また、入居時の情報や訪問診療の記録、毎年の健康診断や予防医療の記録などがカルテに残されているので、毎回事細かに説明する必要もありません。
わたしが今まで病院で診てきた中には、愛猫の具合がかなり悪くなってから病院に駆け込み、定期健診をしていればよかったと嘆く方が多くいらっしゃいました。そのように後悔するご家族、苦しむ猫をすこしでも減らすべく皆様に病院に来ていただくのではなく、我々獣医師が定期的に伺う仕組みをLIFEEDでつくりました。定期的な訪問診療をすることで、疾病の兆候を早期発見し、愛猫の健康寿命を延ばせたらと願っております。
白岩千鶴子先生コメント
動物病院には交通事故や病気で瀕死の野良猫、重い病気が発覚して飼育放棄された犬猫たちなどが連れてこられます。新しく家族がみつかり幸せに暮らす動物たちも多いのですが、性格的にも病気的にも難しい子たちはなかなか新しい家族が見つからず、病院で預かる期間が長くなるうちに私の心を鷲掴みにしてしまうのです。そうして、我が家では常に10匹近くの犬猫と暮らしています。
動物たちを家族に迎え入れたものの、一筋縄ではいかないような問題が次々と起こり、問題解決のために悩み・考える事も多かったのですが、その経験から問題を抱える飼い主の方や動物たちの思いを深く理解し、解決への糸口を探す力を与えられました。動物たちとの暮らしはいろんな事がおこるけれども、笑顔になる事が多く、かけがえのない存在。恩返しをするため彼らと彼らの種族たちのために微力ながらも発信していけたらと思っております。