ペット可を超えたペット共生マンションとして展開するLIFEED。特に、獣医師監修のもと猫の健康に配慮した付帯サービスが充実しています。今回はLIFEEDのプロデュースにあたって、監修でご協力いただいた白岩千鶴子先生にLIFEEDの床材選択に対する考えについて伺いました。
猫は高い所から飛び降りても大丈夫?
猫は平衡感覚を司る三半規管が非常に発達しているため、ある程度、高い所から落下しても空中で身体を回転させたり、体勢を立て直して着地したりすることができます。その抜群の運動神経は新体操の選手のようで美しく、ほれぼれしますよね。飛び降りた後も痛そうなそうぶりなく軽快に走っていく姿を見ると高い所から飛び降りても大丈夫な動物だと思ってしまいます。でも、飛び降りたときに思いのほか大きな音を立てていませんか?本当にまったく問題はないのでしょうか。
室内での落下は高齢猫の関節炎の原因に!
猫が1mの高さから飛び降りた場合、体重の約4倍の衝撃を受けると言われています。5㎏の猫であれば約20㎏の衝撃が手首の関節に生じるのです。体重の重い肥満気味の猫や、より高い所からの落下した際は着地時の衝撃が更に大きくなります。また、着地面の硬さや滑りやすさによっても関節にかかる衝撃の大きさは変わってきます。
日大の杉谷博士教授らの研究チームが猫の関節炎の発症メカニズムについて解明した研究では、猫の関節炎罹患率は5-10歳で約5割以上、11歳以上では9割以上もいるという結果*1が出ており、高齢になるほど罹患率は高くなっていくことが証明されています。また各部位の発症率では、着地の時に衝撃が加わる手首の関節が約3割、膝関節は約2割と高確率です*2。高いところから華麗に飛び降りて優雅に去っていったようにみえて、実は毎日少しずつ負担がかかっているのです。
* 2 猫の臨床専門誌【フェーリス】Vol.13 2018年5月31日発行
衝撃の小さい運動が大切!
猫は高い場所を好みますし、適度な運動は問題行動や肥満のリスクも下げるのでとても大切です。高所は危ないから登らせないのではなく、飛び降りたときの衝撃を小さくするために着地面である床材について考えることもとても大切です。
床材にはフローリング、クッションフロア、カーペット、ジョイントマットなどがあります。人間目線では好まれるフローリングは衝撃吸収性が悪く、猫にとってはつるつる滑るため歩くときやキャットウォークなどの高所から飛び降りたときの負担が大きくなります。カーペットは柔らかく踏み心地がよさそうですが、ループタイプの場合は爪が引っかかってしまう危険性がありますし、粗相した時や嘔吐したときの処理が大変です。ジョイントマットであれば、それなりの厚さがあって衝撃も吸収してくれるし、一部だけ敷いたりなど扱いやすそうな気がしますが、継ぎ目が気になって猫がひっかいてはがしてしまったり、食べてしまったりするのでやはり完璧とは言えません。クッションフロアは衝撃吸収性もよく、愛猫が粗相してしまったりや嘔吐したときなどもすぐにふき取ることができます。様々な床材を比較すると、やはりクッションフロアが一番猫に適しているのではないかと思います。
猫の関節に負担が少なく、掃除も楽なクッションフロアを
愛猫が高齢になっても関節症にならず元気で暮らすためには、ご家族が安全な環境を作ってあげることが大切です。猫と暮らすことを前提としてつくられたマンション、LIFEED CREAL広尾では、獣医師監修のもと、様々な床材を比較検討し、クッションフロアを採用しました。入居後に市販のものをご自身で設置するのに比べてずっと厚みのある11.5mm厚のクッションフロアを採用しているので、衝撃吸収能力も抜群です。フローリングよりも滑りにくく、ループタイプのカーペットのように爪が引っかかって捻挫することも防げます。擦り傷に強く、粗相をした時や嘔吐してしまった時もきれいに拭き取れますし、ワックスがけが不要なのでお手入れも簡単です。また、猫の関節症を予防することができるだけでなく、我々人間の足の疲れも軽減し、転倒の衝撃から守ってくれます。愛猫の健康を守るためには人間の健康も大切。衝撃が小さい床材で愛猫もご家族も幸せで健康に暮らしていただきたいと思っております。
白岩千鶴子先生コメント
動物病院には交通事故や病気で瀕死の野良猫、重い病気が発覚して飼育放棄された犬猫たちなどが連れてこられます。新しく家族がみつかり幸せに暮らす動物たちも多いのですが、性格的にも病気的にも難しい子たちはなかなか新しい家族が見つからず、病院で預かる期間が長くなるうちに私の心を鷲掴みにしてしまうのです。そうして、我が家では常に10匹近くの犬猫と暮らしています。
動物たちを家族に迎え入れたものの、一筋縄ではいかないような問題が次々と起こり、問題解決のために悩み・考える事も多かったのですが、その経験から問題を抱える飼い主の方や動物たちの思いを深く理解し、解決への糸口を探す力を与えられました。動物たちとの暮らしはいろんな事がおこるけれども、笑顔になる事が多く、かけがえのない存在。恩返しをするため彼らと彼らの種族たちのために微力ながらも発信していけたらと思っております。